セミの鳴き声
「シャー、シャー。」と暑苦しく鳴くせみ。
私はセミの種類の名前に通じていないので鳴き声だけの話をします。
ある男の人と話をしていた時、
「このごろ、地球温暖化のせいで、シャー、シャー、シャブー、と鳴くクマゼミが多くなった。昔はあのせみは少なく、ジジジー、ジジジジーと鳴くアブラゼミが大勢を占めていた。」
とおっしゃる。そこで気をつけて聞いてみると、私の周りは朝から「シャー、シャー、シャブー」とうるさい。そう言えば、私の子ども時代、昼寝の耳に「ジー、ジー」と油で照りつけるようなセミの声が耳に残っている。あれを聞くだけで暑さがいっそう増幅させられたようだった。マンガにもセミ取りをしている子どもの相手のセミはこんな声だった。
以来、あちこちでセミの声に耳を傾けてみるが、「ジジジー、ジジジジジー」と鳴くセミの声に出会わない。
ところが、山へ出かけた時である。里は32℃、ここは28℃。あたりはあの「ジジジジー、ジジジジー。」と鳴くセミの声ばかりです。
「えっ、そうするとここは、私の子ども時代の気温?」
とたんに昔は暑く感じていても今となれば、こんなに涼しいのだ、と発見したようなうれしさでワクワクしてきた。そこへ、「カナカナカナ。」と夏の終わりを告げるセミの声が聞こえた。そうなんだ、ここは夏休みの終わりの気温なのだ。
もう50年も前の昔の子どもだった私は、このセミの声を聞くたびに「夏休みは終わりなのだ、今年も宿題をはやくやり終えることができなかった。」と悔やむ。毎年、夏休みの初めの計画では勢いづいてやるのだけど、いつも同じ繰り返し。切ない小学校時代の思い出がよみがえってきた。 K子
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