口伝、手まり歌などを紹介します!
顔知らぬ祖母⇒父(1900年生まれ)⇒私(1936年生まれ)⇒孫(1994年生まれ)
1.一もく、二もく
一もく、二もく、三もく、さくら。さくらの枝に、とんびの首と、からすの首を、ねじ上げておいて、お殿様に見せた。お殿様は、お馬(んま)。槍の先(さき)ゃ、すってんどん。すってんどんの道を、尾のある鳥と、尾のない鳥が、あっちへぶらり、こっちへぶらり。ぶらつくところを、豆腐(とふ)屋の婆(ばば)さん、機(はた)から下りて、杓(しゃく)もっておさえた。その杓はどうした。つい火にくべた。その火はどうした。つい灰になった。その灰はどうした。つい麦かけた。その麦(むぎ)ゃ、どうした。雁(がん)が来て、食うた。その雁はどうした。山こえ、谷こえ、がんがら松に、止まった。
2.向こうの山を
向こうの山を、さるが三匹通る。どのさるも、物知らず。いっちの中の子ざるが、ようもの知って、日本国(ごく)中(じゅう)歩いて、銭(ぜに)三文ひろて、いわしを三匹買うたれば、煮(にい)て食うても、塩辛し、焼いて食うても、塩辛し。あんまり塩がかあろうて、前の川へ飛び込んで、水を三杯飲(のん)だれば、あんまり腹が太(ふう)とうて、鐘撞堂へ上がると、鐘撞堂が、揺(ゆうるい)で、大きいやつあ、泣きゃる。小(こ)まいやつあ、笑(わら)やある。泣きゃんな、笑やんな。笑やんな、泣きゃんな。
3.襖の開け閉めの作法
「上(じょう)すらり、中かったりの、下三寸、開けて閉めぬは、下下の下の助」
音を立てずに、すらりと開閉するのが、上。かたんと音をたてるのが、中。隙間を三寸ほど残すのが、下。閉め忘れが、下下の下。
4.蜀山人の狂歌
お話「店の前で、“おかる”という娘が水撒きをしていると、水が、通りがかった足軽の足にかかった。足軽は怒り『手打ちにする』と息巻いた。店のものが謝っても許さない。通りがかった蜀山人が、狂歌を読むから許すようにと申し出た。それは
『行きかかる、来かかる、足に、水かかる、足軽怒(いか)る、“おかる”こわがる』
足軽は許した。」
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